休業損害の算定に納得できない

休業損害の算定に納得できない場合の対応を、
会社にお勤めの方、 ②自営業の方、③会社役員の方 の3つのケースでご紹介いたします。

会社にお勤めの方

基本的に会社にお勤めの方であれば、会社をお休み頂き治療に専念することをお勧め致します。

交通事故の治療のために会社を休まれた場合、給与が欠勤した分だけ減額されることがあると思います。その減額分については会社が休業損害証明書を作成し、加害者側の保険会社に提出するという流れとなります。
一般的には欠勤により減額された給与分は、休業損害として、保険会社から支払われることになります。
ただし、例外的に休業損害証明書の記載内容や、休業損害証明書に通常添付することになっている源泉徴収票がない場合など、種々な原因で加害者側の保険会社から、休業損害として認められないと判断された場合には、休業損害の支払いがなされないケースもあります。

よって、治療で仕事に行けず、欠勤分の給与が減額になっても、一般的には欠勤分を休業損害として、
補てんされるので、治療を優先して頂き、お仕事はお休みされるという例が最もスタンダードな対応
だと
思います。

年次有給休暇は取得していい?

年次有給休暇を取得した分については、減収がないので休業損害は発生していないようにも思えますよね。
しかし、基本的には、交通事故による年次有給休暇の取得は、被害者の方としては、交通事故さえなければ
年次有給休暇を取得する必要もなかった等の事情があるとされ、損害として認定される取り扱いとなっており、損害賠償の対象となると解されています。

以上のとおり、交通事故の治療のために会社員の方が欠勤せざるを得なかった場合、因果関係が認められる
範囲で休業損害として賠償の対象
になると考えられます。

 

自営業者の方

自営業者の方も、治療のために仕事をお休みになられた場合、休業損害の請求をできることは、
会社員の方と同じです。

ただし、自営業者の方の場合は、休業損害の原則的な計算方式として、事故前年の確定申告書を基に1日当たりの収入を算出し、治療・通院実績などから認定できる日数分の休業損害が認定されることになる点に注意が必要です。
「確定申告書に基づき計算する」という原則的な計算方式の結果、実務上、多くの問題が発生しているのが、
自営業者の休業損害の問題です。

まず、自営業者の方の確定申告書は、さまざまな事情から、必ずしも実態を反映していないことがあります。
※これ自体は決して望ましいことではありません

例えば、確定申告を上回る収入があると被害者の方が主張されるケースなどは、加害者側の保険会社と話し合いで解決することが困難な問題であることが多く、解決には訴訟提起などの法的手続を採る必要が高い類型の事案です。
では、訴訟提起などの法的手続を採ればよいのかというと、実際には被害者側が、確定申告自体と異なる収入
があると証拠に基づき証明する必要があり、決して簡単なものではありません。

ほかにも、事故の結果、ある特定の受注については仕事として受けることが出来ずキャンセルをせざるを得ない場合などもありますが、この場合、その分の事故がなければ受けられた仕事で、その分の売上がなくなったことにつき、どのように損害認定するかも、場合によっては大きな問題となることもあります。

交通事故によって休業したことが明らかでも、自営業者の方の場合、難しい問題が背景にあることが多く、
疑問点などがあれば、当事務所までお問合せください。

会社役員の方

会社役員の方の休業損害の場合、単純に会社に正社員としてお勤めの方とは異なる取り扱いになります。
役員の方の報酬は一般的に、
(1)労働の対価として与えられる部分と、(2)企業経営者として受け取る利益配当的部分 があるとされます。
利益配当的部分については、休業したとしても役員としての地位に基づき支払われるという理解を前提に、
休業損害として認められない事案があります。

しかしながら、中小企業・小規模零細企業の場合、会社の役員に就任しているとしても実際は、受け取っている報酬のほとんどが労務の対価であるとの主張をされる役員の方も多く、交通事故の休業損害に関する論点の一つとして、実務上問題になることがあります。

この場合、会社の規模、利益状況、当該役員の方の地位や職務内容、年齢、他の従業員の職務内容などの事情を考慮して判断されることが多いとされますが、この認定も上述の自営業者の方の休業損害の問題と同様に、
保険会社との交渉は一般的に難しく、法的手続に出る必要がある類型の問題です。

このような問題をお抱えの方も、一度、当事務所までお問合せください。

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