経過診断書

経過診断書とは

経過診断書とは、医師が患者の治療を進めている間の経過を記入した診断書のことです。
後遺障害診断書は、症状固定後に医師が通常1回作成するものですが、経過診断書は、治療中に医師が何度も作成します。

経過診断書の内容を見ると、受傷時から現在に至るまでの、患者の症状の経過を見て取ることができます。事故直後からの症状の経過が記載されるので、治療期間や後遺障害の有無の認定に重要な資料となります
経過診断書は、だいたい1ヶ月に1回くらいの頻度で作成されます。

 

経過診断書の内容

経過診断書には、以下のような内容が記載されます。

項目 内容
  • ・患者名
  • ・傷病名
  • ・治療開始日
  • ・治ゆまたは治ゆ見込日
  • ・症状の経過
    ・治療の内容および今後の見通し
  • 患者の自覚症状や客観的な他覚症状施した治療の内容や手術内容などを記載します。
  • ・主たる検査所見
  • 検査の名称と結果を記載します。
  • ・初診時の意識障害の有無、意識レベル
  • ・既往症および既存障害の有無
  • ・後遺障害の有無
  • 治療継続中の場合、「未定」と書かれています。
  • ・入院治療、通院治療の期間、日数
  • ・ギプス固定期間
  • ・付添看護を要した期間
  • ここに記載がなければ、原則として付添看護費が認められません。
  • ・治療の顛末
  • 治ゆ、継続、転医、中止、死亡のいずれかが記載されます。

経過診断書で重要なポイント

事故当初から適切に経過診断書を作成してもらうには、患者が事故直後から病院に通っている必要があります。事故後しばらく病院に行かず、1週間以上が経過してから初めて病院に行った、という場合、その症状と交通事故に因果関係が認められなくなる可能性が高いです。そこで、事故に遭ったら、すぐに病院に行きましょう。事故直後に痛みやしびれなどの具体的な症状が出ていなくても、とりあえず一度は病院を受診しておくべきです。

また、経過診断書には患者の自覚症状も書き込まれますが、後遺障害の認定を受けるためには、患者の訴えに一貫性や連続性があることが必要です。

事故直後の訴えと治療中の訴えに違いがあったり、後遺障害診断書と矛盾する内容の経過診断書の記載があったりすると、後遺障害が認定されなくなってしまう可能性があります。

また、どのような治療を行ったのかも重要です。たとえば、積極的な治療を行わず、単に痛み止めのための湿布を出しているだけ、という状態が続いていると「その時点では、すでに完治していたのではないか」と言われてしまいます。

このように、交通事故では後遺障害診断書だけではなく、経過診断書も非常に重要です。
交通事故に遭った場合の適切なアドバイスを受けられたい場合、是非とも弁護士にご相談下さい。


 

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