脳外傷専門の弁護士が必要となる理由①~遷延性意識障害・重度の高次脳機能障害のケース
交通事故で脳挫傷などの傷害を負い、重度な後遺障害が残ってしまったときには、脳外傷専門の弁護士に対応を依頼する必要性が極めて大きくなります。
たとえば遷延性意識障害の場合、被害者のご家族にかかる負担が非常に大きいです。
まず、転院先を探すことから苦労をされます。病院では、3ヶ月程度が経過すると、退院を促してくるからです。
また、後遺障害認定を受けた後には、加害者の保険会社から、逸失利益計算の際に「生活費控除をすべき」と主張されることも多いです。
しかし、裁判例では、遷延性意識障害のケースで生活費控除を認めない例も多いので、こういった不当な主張に的確に反論することが必要です。
重度な高次脳機能障害が残った場合には、まずは適切な等級の後遺障害認定を受けなければなりません。高次脳機能障害の症状は、最近になってようやく認知されてきた新しいものなので、専門知識を持った医師が少ないのが現状です。重度なケースでは介護が必須となりますが、そうしたサポートのシステムも整っているとは言いがたいです。
また、後遺障害としての認定基準も非常に複雑で、適切に認定を受けるためには、具体的にどういった症状があるのかを丁寧に拾い上げて検証していく必要があります。
こうした専門的な対応は、脳外傷に知見の深い弁護士でないと困難です。
重度な後遺障害が残るケースでは、賠償金の金額も多額になりますし、被害者ご自身のQOL(クオリティオブライフ)を維持することも重要ですから、弁護士選びの際には、くれぐれも慎重になるべきです。