むちうち
むちうちとは
むちうちとは、交通事故に遭った場合などに、頸椎が不自然にしなってゆがんでしまうため、損傷を受けることです。
むちうちの正式な症状名は、頸椎捻挫や外傷性頸部症候群、頚部挫傷などとなります。
むちうちになると、典型的な症状としては、肩や腕、背中の痛み、しびれなどが発生します。吐き気やめまい、耳鳴りなどの症状をともなうケースもあります。
交通事故が原因でむちうちになった場合には、後遺障害が認定される可能性がありますが、反面、後遺障害が認められずに「非該当」になってしまうケースも多いので、立証方法には注意が必要です。
むちうちで認められる後遺障害の等級
むちうちで認定される可能性のある後遺障害の等級は、12級または14級です。
12級が認定されるのは、
レントゲンやMRI画像検査により、異常が認められ、医学的に症状を証明できるケースです。
14級が認定されるのは、
上記のような画像検査によっては異常が認められないけれども、症状があることを合理的に推測できるケースです。
12級の認定を受ける方法
12級の認定を受けるためには、画像診断などによってはっきりと症状を証明しなければなりません。
そこで、然るべき医療機関で、精度の高い検査機器を使って検査を受けることが必要です。
むちうちの証明のために役立つのは、MRI検査です。
医療機関において一般的に利用されているMRI検査機器の精度はかなり幅広く、下は0.5テスラ、上は3.0テスラのものまであります(テスラというのはMRI検査機器の精度の単位です)。
そこで、当初は低い精度のMRI検査機器で検査を受けて異常が発見されなくても、検査をやり直すことによって異常を発見できるケースもあります。
14級の認定を受ける方法
14級の認定を受けるには、症状が合理的に推測されることが必要です。
そのためには、交通事故の態様からして症状が発生することが合理的であること、患者の主張が変遷しておらず首尾一貫していること、交通事故がそれなりに重大なものであったことなどが必要です。
また、「神経学的検査」という検査を受けることもお勧めします。
神経学的検査とは、医師が患者の首を動かしたり患者の体に刺激を与えたりして反応を見ることにより、症状を推測するための検査です。
画像診断によって明確な異常がなくても、患者の主張が合理的で、神経学的検査によっても異常な反応が見て取れる場合、14級が認定される可能性が高くなってきます。
むちうちで認められる後遺障害慰謝料と労働能力喪失率
むちうちになって12級が認定されたら、後遺障害慰謝料は290万円、労働能力喪失率は14%です。
14級が認定されたら後遺障害慰謝料は110万円、労働能力喪失率は5%です。
交通事故後、むちうちの症状が出ていたら、弁護士に依頼して確実に後遺障害の認定を受けましょう。