バレリュー症候群
バレリュー症候群とは
バレリュー症候群とは、首に損傷を受けることにより、頭痛、不眠や倦怠感などの症状が発症するものです。1926年~1928年にかけて、フランス人の「バレ」と「リュー」という人が報告したため、その名をとって、バレリュー症候群と名付けられました。
バレリュー症候群の原因は、頸部が損傷を受けることにより、自律神経や交換神経節に刺激を与えてしまうことです。交通事故によって頸部に衝撃が加わると、バレリュー症候群が発症することがあります。
バレリュー症候群の症状
代表的な症状は、頭痛です。また、不眠も続きます。
体の全体的な症状としては、倦怠感や疲労感、局部的な熱感、脱力感、しびれなどがあります。
めまい、耳鳴り、難聴や眼精疲労、目の調節障害や流涙障害なども起こります。
肩コリや腰痛、背中の痛みが発生することもありますし、動悸や息切れ、食欲不振や胃もたれ、吐き気や腹痛、下痢、便秘なども発生します。手足の冷えや、頭が重い感覚を受けることもあります。
バレリュー症候群の治療方法
バレリュー症候群の治療方法は、基本的にはむちうちのものと似ていますが、バレリュー症候群特有の治療方法もあります。
具体的には、星状神経節ブロック(星状神経節の周囲に局所麻酔をして交感神経の働きを軽くすることにより、症状を改善する方法)、硬膜外ブロック、トリガーポイントの注射などを行います。
これらはすべて、交感神経の働きを一時的に抑制し、人が本来持っている自然治癒力によって、交感神経と副交感神経のバランスをよくするものです。
症状の程度が酷く、頸椎が変性してしまっているときには、外科手術が必要になるケースもあります。
バレリュー症候群になった場合の通院先は、麻酔科やペインクリニックです。むちうちと同様、整骨院や接骨院でも症状改善のための施術を行っています。
多くのケースでは、治療2ヶ月程度で改善が見込めますが、中にはなかなか症状がおさまらず、いつまでも頭痛や頭重感、めまいなどの症状が続くこともあります。
バレリュー症候群で認定される後遺障害
バレリュー症候群になり、長期にわたって治療をしても改善が見込めない場合には、後遺障害として認定される可能性もあります。多くのケースでは、画像検査をしても、明らかな異常を認めることがなく、認定される後遺障害の等級は、14級9号です。頸椎に変性が発生している場合には、12級12号が認定されます。
バレリュー症候群になった場合、明確な他覚所見がないため後遺障害が否定されることも多いです。
適切に後遺障害認定を受けたい場合には、一度弁護士までご相談ください。