びまん性軸索損傷

びまん性軸索損傷とは

びまん性軸索損傷(びまんせいじくさくそんしょう)とは、脳に衝撃が加わることによって、脳の線維組織が広範囲にわたって損傷を受けることです。
交通事故に遭って、頭を強く打ったり衝撃が加わったりすると、びまん性軸索損傷になってしまうことがあります。

びまん性というのは、全体に発生する症状のことです。
これに対する言葉が局所性です。つまり、脳の一部では済まず、全体が損傷を受けてしまっているということです。
軸索とは神経細胞の突起のうち、最も長いもので、信号を伝達する働きをしています

びまん性軸索損傷になると、脳内の神経細胞突起が広範囲で損傷を受けるので、脳が正常に機能しなくなってしまいます

 

びまん性軸索損傷の症状

交通事故でびまん性軸索損傷となった場合、まずは事故直後に意識を失うことが多いです。
ただ、数時間が経過すると、意識は回復します。
その後、脳の認知機能に障害が発生して、高次脳機能障害になってしまう例が非常に多いです

高次脳機能障害とは脳の認知機能障害の総称です。
具体的な症状としては、
忘れっぽくなったり、物事を計画的に行うことができなくなったり、集中力がなくなったり、怒りっぽくなったりすることがあります。酷いケースになると、ボタンを留めるなどの日常的な動作すらできなくなるので、介護を要する状態になることもあります

びまん性軸索損傷で高次脳機能障害になると、症状の内容や程度によりますが、9級以上の認定を受けることとなります。常時介護が必要な状態になると、要介護の1級が認定されます

びまん性軸索損傷で後遺障害認定を受ける方法

びまん性軸索損傷になった場合、CT画像によっては異常を見つけられないことが多いです。
特に、事故直後に画像を撮影しても、正常な脳とほとんど変わらないので、症状が見過ごされがちです。

有効なのはMRI画像とされており、これであれば、事故直後でも小さな出血を発見できることがあります。

そこで、交通事故に遭って頭に衝撃を受けて意識を失った場合には、まずは事故直後に精度の高い機器を用いてMRI検査を受けることが大切です

また、交通事故後数週間~数ヶ月が経過して慢性状態になってくると、脳全体が萎縮してくることが多いです。すると、びまん性軸索損傷による異常を発見しやすくなります。そのためには、事故直後の画像と後日の画像を比較することが重要となってきます。

びまん性軸索損傷は、事故直後では発見しにくい上、高次脳機能障害の症状が出ても、単なる性格の変化であると見逃されることがあります。交通事故後、頭に衝撃を受けて意識障害を起こしたなら、まずばびまん性軸索損傷を疑い、精密検査を受けるべきです

お困りの際には、弁護士までご相談ください。


 

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